知識創造プリンシプルフォーラムを開催しました

イベント
2020/07/01

020年6月19日に『知識創造プリンシプルフォーラム』をオンライン(ZOOMウェビナー形式)にて開催しました。

このフォーラムは、紺野登(エコシス・ラボ代表、多摩大学大学院教授)、荻原直紀(ナレッジ・アソシエイツ・ジャパン代表)、仙石太郎(リワイヤード代表)からなる “知識創造プリンシプルコンソーシアム”による共同開催です。

開催の目的

21世紀に入って20年が経ちますが、日本企業が世界のなかで競争力を発揮しているとは言い難い状況が続いています。

最大の問題は経営を変えられないことにあります。社会が成熟しているにも関わらず市場成長を前提としたスケール依存のビジネスモデルから脱却できません。顧客の便益につながる新たな価値を試行錯誤することよりも、効率性やコストダウンといった施策を毎年のように繰り返しています。重大な社会課題の解決を経営命題に据えるのではなく、“短期利益で株主に報いたい”というリーダーの姿勢が従業員を疲弊させ、モチベーションを奪っています。

日本的経営の革新のカギは、知識創造のプリンシプル(原理原則)に立ち戻り、経営のありかたを転換(リワイヤリング)することにあると、私たちは考えます。共通善に立脚した目的を生み出す構想力、一人ひとりが自律的に知識を創造するプロセス、それを支える機会と場、たんなる国籍や性別でなく「モノの見方」の多様性をいかに許容するか。また、組織に眠るダイナモ(志を持つ若手社員)の潜在力・爆発力を引き出すことも、決定的に重要です。

本フォーラムは、「組織の知の基盤を革新せよ」と題し、今の日本企業に必要な経営革新のあり方を考える目的で開催されました。

知識創造プリンシプルフォーラム案内状
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 昨年末(2019 年12 月16 日~ 17 日)、オンラインモニターで民間企業(従業員数300 人以上 且つ 創業10 年以上)の経営者· 管理職を対象にアンケート調査を行いました(412 サンプル)。

[組織の知の基盤を革新するとき]参加者特別配布eBook
[組織の知の基盤を革新するとき]参加者特別配布のeBookはこちら

“知識革新度診断”のプロトタイプとして、企画・開発された本プログラムの調査結果は、衝撃的なものでした。

イノベーションの必要性を強く感じていながら、実行力が伴わない本質的な理由は、シニア&ミドルの管理者層自身が無自覚なまま障害になっており、未来に向かう勢いを削いでいるということが明らかになったのです。

アジェンダ

フォーラム

フォーラムには500名を超える参加申し込みがあり、6月19日(金)の15時という時間帯にもかかわらず450名超の皆さまにご参加を頂きました。日本を代表するような企業トップ、執行役員、ミドルマネジャー、一般社員だけでなく、元超大手企業の会長・社長、公務員、大学教授、研究員、学生の参加も目立ちました。皆さまの関心の高さ、問題意識の大きさの表れではないかと思われます。

YouTube期間限定公開中 【知識創造プリンシプルフォーラム】

1.「イントロダクション」 6分42秒
司会の荻原直紀(ナレッジ・アソシエイツ・ジャパン代表)がプログラムを紹介します。
本フォーラムは2020年6月19日に開催され、「企業経営の目的は価値づくりである」という原理原則に戻ることによって、組織の活力を取り戻すことを狙いとしています。
(1)フォーラムの趣旨(2)参加者の関心事 (3)アジェンダ説明
2.「オープニングスピーチ」 13分58秒
多摩大学大学院教授であり、エコシスラボ代表の紺野登によるプレゼンテーションです。
COVID-19禍で私たちは新常態(New Normal)への転換を余儀なくされています。しかし、コロナ以前から日本企業の経営は行き詰まりを打開できなくなっていました。数々の著作や講義、講演を通じて知識創造経営を説いてきた第一人者のメッセージです。(1)経営のピボット(2)環境・意識革命(3)本質価値
3.「特別メッセージ1」 8分3秒
一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生のメッセージです。”知識創造理論”の生みの親であり、そのユニークなコンセプトと理論は、世界中の経営学者のみならず、ビジネスに携わる多くの人々の心を捉えました。市場主義経済に傾倒した企業経営が、次に向かうべき道は賢慮資本主義だと先生は主張します。また変節の時代に欠かせないのは若い人材を活かすことであり、経営者は知が沸き上がるような場をつくるべきだと発破をかけられています。
4.「特別メッセージ2」 7分15秒
ラリー・プルサック氏は、米国の知識経営の第一人者です。本質を突いたメッセージの鋭さとは裏腹に、たいへんな人格者でありヒューマンフレンドリーな語り口が聴き手を魅了します。
NASAや世界銀行など、利害関係者が対立しやすい組織環境下で幾度となく用いられ大きな成果を生み出しているナラティブと、マッキンゼープロジェクトで威力を発揮した認知的多様性(Cognitive Diversity)について、話してくださいます。
5.「問題提起プレゼン」 16分31秒
本フォーラム主催者の一人である仙石太郎(リワイヤード代表)による問題提起です。
平成の31年間で日本企業は存在感を大きく落としてしまいました。理由は国内市場の成熟とグローバル競争の狭間で、付加価値の源である新しい需要を創出できなくなったからです。原因を探るべく昨年12月に役員/部長/課長層の400人余りにオンラインモニター調査を行いました。その衝撃的な調査結果と変革の方向性を共有します。
6.「パネルディスカッション」59分52秒
小島健嗣氏(富士フイルム)、加藤百合子氏(エムスクエア・ラボ)、留目真伸氏(SUNDRED)…3名のイノベーターが登場します。司会は紺野登。このパネルで焦点を当てるのは「ダイナモ(変革人材)」です。組織変革を進めようと社内を見回した時に、いま企業に一番欠けているのは駆動力です。新しい目的に向かって人々を駆り立てるダイナモはいかにして生まれるのか? また育てられるものなのか?  パネルを通じて本質に迫ります。
7.「今後の活動案内」 7分19秒
(1)“知識創造プリンシプル”を追求するために、企業や組織を超えて一緒に研究や実践を行ったり、相互に学び合うコミュニティの立ち上げについて 
(2)昨年末にオンラインモニターにて先行実施を致しました”知識革新度診断2020”の民間/公共/学校組織への導入計画について
本フォーラムの共同開催者でもある司会の荻原直紀がコンソーシアムの活動概要を紹介します。
8.「クロージングスピーチ」 8分28秒
民間企業、自治体、第三セクターなど、様々な組織でブランディングとマーケティングに取り組まれ、社会や顧客(市場)との向き合い方を変えることで高い実績を上げてこられた中山こずゑ氏によるリーダーへのメッセージです。 “おっさん力学”による組織統制を続けるのではなく、ダイアログとデリゲーションで、ダイナモ人材を活かすべきだと呼びかけています。
期間限定公開 『知識創造プリンシプルフォーラム全編映像』はこちら

フォーラムの評価

Q1.本日のフォーラムはいかがでしたか?(回答数: 190 )

Q2.特別動画メッセージ(野中郁次郎教授、ラリー・プルサック氏)の内容はいかがでしたか?(回答数: 190 )

Q3.知識創造プリンシプルコンソーシアム(KCPC)からのメッセージ(紺野登、仙石太郎)はいかがでしたか?(回答数: 190 )

Q4.パネル対話はいかがでしたか?(回答数: 190 )

Q5.知識創造プリンシプルコンソーシアム(KCPC)の提供するナレッジ・オーディットに、ご関心がありますか?(回答数: 190 )

Q6.知識創造プリンシプルコンソーシアム(KCPC)コミュニティの、どのような場・活動にご関心がありますか?(回答数: 190 )

<参加者の声(一部抜粋)>

  • 大変共感できる内容で、どうも有難うございました。 
  • みなさんの取り組みや意見がとても刺激的でした。
  • それぞれ異なる立場から、ダイナモと組織についての意見を聞くことができ、とても新鮮でした。
  • 貴重で刺激的なフォーラムでした。同時にものごとの原理原則を再確認しました。
  • 非常に濃い内容だったので、時間が足りなかった印象。 今までとは異なる当たり前を根付かせるのは、こんな形で動きだすのだと感銘を受けた。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
今後の知識創造プリンシプルコンソーシアムの活動に是非ご期待ください。